第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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ちなみに現世の生者の中には、”霊媒師”と呼ばれる特殊能力者がいて、生者には見えない死者を視て、声を聞いて、認識するという。 その数は少ないが、霊媒師は生者でありながら、電気を操り、現世に彷徨う死者と交渉し、最終的には黄泉の国へ送る。 その際、死者を送る“光る道”を呼ぶ為に、個々の霊媒師と【光道(こうどう)開通部】担当オペレーターで連携を取る機会もある。 黄泉の国(こちら)が電気を無色透明にしているのに対し、霊媒師のそれは、赤や青といった色がついているというが…… まぁ、この辺はどうでもいい。 現世の霊媒師なんて、自分にはまったく関係のない話なのだから。 とまぁ、ちっとも簡単な説明じゃなかったが、とりあえずなんとなく分かった。 しかし驚いた、マジョリカはよく知ってるじゃないの。 早着替えを初めて見た時、マジョリカにどういう仕組みなのか聞いたら、 ____どうやってって言われても。詳しい事は開発者に聞いてくれ と言っていたのに。 突っ込んでみたら、 「説明するのがメンドウだから、知らない振りしてるんだ」 そうだったのか。 黄泉の国には新しい死者が毎日やってくるからね。 そのたび説明する労力を考えれば仕方ないのかな。
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