2366人が本棚に入れています
本棚に追加
/2550ページ
ま、まだ始めたばかりだ。
ドンマイ、自分、頑張れ。
言霊を発動させる為の具体的な理由か……
そりゃあ、マジョリカに自分のリングをつけてほしいからだ。
なんでつけてほしいかと言えば、好きだから、しかない。
「自分はマジョリカが好きだ。だから自分の大事にしていたリングをつけていてもらいたい」
ボゥ……、
「「あーっ! 光ったーっ!!」」
1度目にはなかった反応に2人共テンションが上がった。
これは、頑張ればなんとかなるかもれない。
マジョリカに自分のリングを身に付けていてほしい、そうか、こういう気持ちを込めるのか。
「少し分かった気がするから、もう一度やってみる。
マジョリカが好きなんだ、この娘と出逢えて付き合えるようになった記念に、このリングを……あれ? 光が消えた。なんで?」
さっきは自分の言葉に反応して緑色に光ったのに、今回は途中で消えてしまった。
何かヒントがほしかったが、頼りのマジョリカは消えた光を見て泣きそうになっている。
「ごめん、失敗しちゃったね。でも次は頑張るから待っててくれる?」
がっかりさせちゃったな……オジサン頑張らないと。
この娘の喜ぶ顔が見たい。
「……マジョリカが大好きなんだ、記念にこのリングを……あ、また消えた」
こんな事が何度か繰り返され、回を重ねるたびにマジョリカの笑顔が消えていく。
どうしてうまくいかないんだ……ちょっと焦ってきたな。
失敗回数が二桁になった頃、とうとうマジョリカは黙り込んでしまった。
「マジョリカ、ごめんね。自分、なかなかうまくできなくて……疲れちゃったかい? 少し休んでていいよ。ちょっと一人で練習してみる。なに、昔から自分を追い込むトレーニングは得意なんだ、」
努めて明るく笑い、少し離れたところで練習しようとすると、マジョリカにそれを止められた。
「ジャッキ……れんしゅうはいいから、」
「……どうしたの?」
マジョリカの目には涙が溜まり、今にも溢れそうになっている。
自分がうまくできないから悲しくなってしまったんだろうか?
「ジャッキは……ウチと付き合うの、本当は嬉しくないの?」
はい?
この娘はなにを言ってるの?
オジサン、マジョリカに惚れまくってますが、アナタなしでは分解されますが、フリー素材になっちゃいますが。
「あのぉ、マジョリカ? どうしたの? そんな訳ないでしょう? 大好きだよ。好きで好きでたまらない。なんなら、もう一度、今すぐマジョリカを抱きたいくらいに。自分はいつだって、」
決しておふざけじゃなく、本気で言いかけたところで、
「ああぁぁぁぁん、だって、だって、途中で光が消えちゃうんだもん、ウチ、不安になっちゃったのぉ」
と、マジョリカは5才児のように泣き出した。
最初のコメントを投稿しよう!