第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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ま、まだ始めたばかりだ。 ドンマイ、自分、頑張れ。 言霊を発動させる為の具体的な理由か…… そりゃあ、マジョリカに自分のリングをつけてほしいからだ。 なんでつけてほしいかと言えば、好きだから、しかない。 「自分はマジョリカが好きだ。だから自分の大事にしていたリングをつけていてもらいたい」 ボゥ……、 「「あーっ! 光ったーっ!!」」 1度目にはなかった反応に2人共テンションが上がった。 これは、頑張ればなんとかなるかもれない。 マジョリカに自分のリングを身に付けていてほしい、そうか、こういう気持ちを込めるのか。 「少し分かった気がするから、もう一度やってみる。 マジョリカが好きなんだ、この()と出逢えて付き合えるようになった記念に、このリングを……あれ? 光が消えた。なんで?」 さっきは自分の言葉に反応して緑色に光ったのに、今回は途中で消えてしまった。 何かヒントがほしかったが、頼りのマジョリカは消えた光を見て泣きそうになっている。 「ごめん、失敗しちゃったね。でも次は頑張るから待っててくれる?」 がっかりさせちゃったな……オジサン頑張らないと。 この()の喜ぶ顔が見たい。 「……マジョリカが大好きなんだ、記念にこのリングを……あ、また消えた」 こんな事が何度か繰り返され、回を重ねるたびにマジョリカの笑顔が消えていく。 どうしてうまくいかないんだ……ちょっと焦ってきたな。 失敗回数が二桁になった頃、とうとうマジョリカは黙り込んでしまった。 「マジョリカ、ごめんね。自分、なかなかうまくできなくて……疲れちゃったかい? 少し休んでていいよ。ちょっと一人で練習してみる。なに、昔から自分を追い込むトレーニングは得意なんだ、」 努めて明るく笑い、少し離れたところで練習しようとすると、マジョリカにそれを止められた。 「ジャッキ……れんしゅうはいいから、」 「……どうしたの?」 マジョリカの目には涙が溜まり、今にも溢れそうになっている。 自分がうまくできないから悲しくなってしまったんだろうか? 「ジャッキは……ウチと付き合うの、本当は嬉しくないの?」 はい? この()はなにを言ってるの? オジサン、マジョリカに惚れまくってますが、アナタなしでは分解されますが、フリー素材になっちゃいますが。 「あのぉ、マジョリカ? どうしたの? そんな訳ないでしょう? 大好きだよ。好きで好きでたまらない。なんなら、もう一度、今すぐマジョリカを抱きたいくらいに。自分はいつだって、」 決しておふざけじゃなく、本気で言いかけたところで、 「ああぁぁぁぁん、だって、だって、途中で光が消えちゃうんだもん、ウチ、不安になっちゃったのぉ」 と、マジョリカは5才児のように泣き出した。
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