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【“コトバ”に嘘があったり、嘘でなくても出した“コトバ”と一番に望む願いとで相違があった時、いずれも術は強制終了します】
さっきのコトバに嘘はない。
ただねぇ、アレじゃダメだったんだねぇ。
事前アナウンスがほしかったけど、
うんー、仕方ないなぁ。
自分の肩に顔を伏せ、グズグズに甘えるマジョリカの髪を撫で声をかけた。
「マジョリカ、左手出して。サイズ直ししよう」
「………………どうやって?」
「そりゃあ言霊で」
「………………強制終了されるもん」
「今度はダイジョウブ。ちゃんと直そう、」
「………………ん、」
次で決める。
甘えてグズるマジョリカを保存してしまいたいけど、本人は至って真面目に落ち込んでるのだから、なんとかしてやらねばなるまい。
マジョリカの腕と両膝裏に手を入れて、ひょいっと抱き上げ横向きにした。
座ったままの姫抱きで、マジョリカが逃げられないのを良いコトに長い長いキスをした。
「ん、やっとキスできた。すごく嬉しいよ、すごく幸せだ」
顔にかかる髪をかき上げてやりながら、泣いていた瞼にもキスをすると頬がバラ色になった。
「ジャッキ……」
「ん、ごめんね。不安にさせちゃったね」
「ジャッキがウチのコト好きじゃないのかと思ったら、悲しくなっちゃったの」
「そっか。でもね、自分がアナタを好きじゃないはずがないでしょう?」
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