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「いや、まだバラカス壁は突破していないんだ。手続きが終わったら話をしに行こうと思ってる」
白雪ちゃんにそう説明すると、
「ダイジョウブですよ! だって……その……昨日は二人で……キャッ! 帰らなかったんでしょう? 今までのバラカスなら常にマーちゃんの傍にいて、そんなコト絶対に不可能だもの。バラカスがジャマしなかったってコトは、それなりの意味があるハズです!」
そうなのかな……?
というか街に出た時、途中までは一緒にいたはずなのに、いつの間にかいなくなってたんだよな。
聞く限り、マジョリカに近づく男は、みんな潰してきたというのに、今回はなんで追いかけてこなかったんだろう?
「私、2人を祝福するよ! 結婚、おめでとう! ねぇ、みんな集めてパーティーしよう! あと結婚式! 今、天空のチャペルとスペースオーシャンチャペルが人気らしいよ? ドレスとメイクとヘアはタッキー店長にお願いしよう! ああ……マーちゃん、私嬉しいよ。親友が幸せになるのって、こんなに良いものなんだね……」
白雪ちゃんは何本もの鉄パイプを束ねたような、強靭な腕全体で涙を拭っている。
優しい子なんだな。
マジョリカに良い友達がいると思うと、なんだか嬉しくなってしまう。
「ナンダ、そこのヒト族は結婚するのカ?」
白雪ちゃんの隣で、ずっと話を聞いていたカンガル族が、ヒョコっと顔を出し話に入ってきた。
戦闘民族とは言うが、その顔は穏やかで可愛らしい。
「うん! ウチ、ジャッキーのお嫁さんになるんだ!」
幸せそうに笑いながら答えるマジョリカ。
きっと今頃、百色華のどれかがピンクに色を変えてるのだろう。
「ソウカ、そうか。良かったなぁ! アンタ達とは初めましてだが、オメデトウを言わせてもらうよ。これから同じ国の住人になるコトだし、よろしくな」
ありがとう、と自分とマジョリカ、そして白雪ちゃんまでお礼を言って、和やかなムードに包まれた。
そう、戦闘民族特有のご挨拶が出るまでは。
「カンガル族では、結婚する男にローキックをするのが祝福の印なんダ! congratulations!」
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