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床に尻を着けたまま、カンフーパンツの裾を上げ、布の中で外れている義足を取り出した。
そのまま膝上まで捲り上げて、足の切断面にソケットを入れるのだが____
あ……しまった。
自分にとっては慣れた作業と傷跡だ。
だけどマジョリカや白雪ちゃんには刺激が強かったのだろう。
声も出さずに固まって、自分の足を凝視している。
配慮が足らなかった。
どこか別の場所に移ろうと、顔を上げ辺りを見渡すと……なんだ?
フロアーにいる半分が自分に注目してる。
立ち振る舞いや雰囲気的に、光る道のオペレーター達のように見えるのだが、どうした?
ただの義足にそこまで驚くか?
「……ジャッキ……その足……」
口元を両手で押さえ、身体を震わせたマジョリカが声を掠らせている。
最初こそ固まっていた白雪ちゃんは、口を結び厳しい顔で宙をタップすると、次々に画面を出現させていた。
「マジョリカ、どうした。自分が義足なのは知っているだろう?」
頭のどこかで警鐘が鳴り響いている。
漠然とした不安が濁流のごとく身体を巡り、心臓は五月蠅いくらいに暴れてる。
なんだよ、義足の何が問題なんだ?
「ジャッキ……ウチ……ジャッキと離れたくないよ、」
離れる……?
この娘は何を言ってるの?
離れる訳がないだろう?
こんなに好きで気持ちが通じ合っているというのに。
離れられる訳がない。
結婚すると2人で決めた。
手続きが終わったらバラカスに会いに行く。
大事にしますと土下座して、2~3発殴られたら姫を貰い受けるんだ。
どこかに小さな家を建て、一緒に暮らすと言っただろ。
毎日キスして、毎晩抱き合い、一緒に眠って、一緒に笑って、ピンクの百色華を飾るんだ。
1000年経っても離れずに、黄泉の国で永遠の愛に生きていく。
なにがあっても離れない、自分の中では百万回も誓ってる。
マジョリカ、自分だけの愛しい女神。
ねぇ、アナタはどうして泣いているの?
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