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「永遠の愛を約束してくれるの……? どうしよ……嬉しい……!」
なんだかんだ言ってもマジョリカは17才の女の子だ。
”永遠の愛”というワードに目をキラキラさせている。
まぁ、自分もマジョリカを愛しすぎちゃってるから、そういったアイテムは大歓迎なんだけどさ。
「白雪ちゃん、本当にありがとう。マジョリカがこんなに喜んでる。自分も嬉しいよ。これはマジョリカに預けておこう」
愛のリンゴをマジョリカの部屋に飾れば、きっとニマニマしながらいつまでも眺めているんだろうな。
そんなマジョリカを抱きしめて眠れたらどんなに幸せだろう。
現世に戻ったらマジョリカはいないし一人淋しく寝るのだ。
あー自分の寿命、残り3日くらいだといいんだけどなぁ。
「いいえ、電塊は二人に持っていてもらいます」
白雪ちゃんは言いながら、肩を回し首を回し腰を捻りと、入念なストレッチを始めた。
「え、でも白雪ちゃん、愛のリンゴは1つだよ? ウチとジャッキ、離れちゃうから二人では持てないよ」
マジョリカの疑問はもっともだ。
自分もそう思う。
すると白雪ちゃんは、イタズラっぽく笑いながら自分達に向かってウィンクをした。
バラカスもオペレーターのみんなも注目する中、見逃さないでねとでも言いたげに何度もウィンクを繰り返す。
白雪ちゃんは肩幅を少し超えるくらいに足を開くと、軽く膝を曲げ腰を下げた。
ただそれだけのポーズなのに、屈強な筋肉とそれを引き立てる黒のタンクトップに迷彩柄の軍パンツ、使い込まれた編み上げブーツが達人を思わせて、男から見ても最高に恰好いい。
そんな達人は電塊リンゴを両手で掴み、腹の前で固定させると、シュゥゥゥと長く息を吐き、そして今度はスゥゥゥと大きく息を吸い込んで……
ふんぬっ!!
と、力を込め真っ二つに割った。
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
その場にいた全員が驚愕した。
特にバラカスは電塊の硬度を知っていたらしく、「素手で割るとかあり得ないだろ……」と目をパチパチさせている。
「ヨシ! 仲良く半分こになったよ! これを今度は形を変えて……」
二つに分かれた電塊を片方の手のひらで器用に持って、反対側の手をガギン! と鳴らし指を弾いた。
マジョリカの指を鳴らす音に比べるとかなりの重音だ。
そんなコトを想った次の瞬間、力が発動された。
白雪ちゃんの手にあった割れた電塊は、綺麗な赤色はそのままに小さな一対のピアスに変化した。
「これなら二人で半分こでつけられるよ。元は一つの愛のリンゴだもの。これで二人はいつでも一緒だわ。それにマザースターの電塊はすごく強いの。現世でも消滅する事はないから、ジャッキーさん、安心してくださいね!」
一つずつ渡された赤いピアスを、マジョリカは頬を紅潮させて眺めていた。
自分も嬉しかった。
離れても繋がっていられる気がしたし、なによりも白雪ちゃんの優しさが身に染みた。
黄泉の国は良い所だ……愛する女がいるだけじゃない、頼りになる父親と、最高の友人もいるのだから。
ああ、クソッ!
やっぱりこのまま黄泉の国にいられたらって思っちゃうよ。
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