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白雪ちゃんからのありがたいギフト。
二人を繋ぐ赤いピアスをつけた後、いよいよ現世に戻る為、光る道を伸ばす作業に入った。
「マジョリカチーフ! 地球にいるジャッキーさんのリアルタイム位置情報掴んだです! 東京都K市! ✕✕病院! 入院病棟3階の306号室、個室! 生者の同席者は4名です! ご家族でしょうか!? どうしますか? このまま光道伸ばすですか!?」
宙に浮かぶDOS画面は重なりながら十数枚並んでいる。
一番大きなメイン画面の前に立つマジョリカの後ろを、せわしなく走り回るのヤマちゃんは、自分の為に光る道を伸ばすべくマジョリカの指示を仰いでいた。
「ちょっと待って! ジャッキ、家族に霊能者は?」
今回、マジョリカとヤマちゃんの二人組で操作しているのだが、自分やバラカス、【光道開通部】の面々は邪魔にならないように少し離れた場所に立っていた。
宙のDOS画面はそれぞれ小さくブーーーンと音をさせていて、十数枚も集まるとそれも中々にうるさい。
自分とマジョリカは大きな声を上げざるを得ない状況だった。
「いない! ウチはみんな鈍感なんだ! だが一人家族じゃない奴がいる! ソイツは分からない!」
小林だ。
コイツとはまともに話をした事がない。
雑談すらしなかったから、霊感があるとかないとか知る由もない。
「この人……」
「そうだ! ソイツは自分の足をダメにした張本人! 事故から7年も経ってるのにまだ謝りにくるんだ!」
自分の返事に3秒黙ったマジョリカは、決断をしたらしくヤマちゃんに指示を出す。
「……そう。ヤマちゃん! 小林さんは気にしなくていいわ! もし光る道や霊体のジャッキを視たとして、7年も通う人なら大丈夫よ!」
「アイマム! ではじゅぶん、光道生成機を遠隔起動するです! IDナンバー:HITOMIMI315! パスワード:※※※※※! ログイン完了! 東京都K市M町3の1の……軌道微調整……微調整……微調……完了! これであとはスウィッチウォーンのドーーンでいつでも伸ばせますの!」
「ありがとう! ヤマちゃんは手を後ろにそのまま待機! ウチがGOと言ったらスウィッチウォーンのドーーン! でお願いね!」
長いウサ耳をぴょこぴょこさせながら、マジョリカの指示を待つヤマちゃんは、聞き分けの良い子供のようにピタッと止まり動かない。
全ての準備が整った。
あとはマジョリカがGOサインを出せば道は伸びる。
そして、自分が一歩その上に立てば……一瞬で現世に引っ張られるんだ。
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