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「……ホントか? ウチ、けっこうワガママだぞ? ヤキモチ焼きだし」
さらに唇を尖らせて、チラチラ見上げる顔が可愛らしい。
ああ、叶うならこのまま抱いてしまいたい。
「本当だよ。自分になら何をしたって構わない。それとマジョはワガママか? そんなコトないぞ。もっとワガママ言えばいいよ。ヤキモチ焼きは……うん、そうかもしれないなぁ」
「それは……! ん……だって、ジャッキは良い男なんだもん。すごくカッコいいし心配になっちゃうよ」
良い男って……そんな訳ないでしょ、自分は冴えないオジサンだよ。
と思っていたら、同じコトを考えたらしい笑い声が遠くから聞こえてきた。
「ケケケ! 恋は盲目だな!」って……言っとくけど、このおかしな発言をしてるのはアンタの娘だからな。
「ねぇ、ウチばっかり優しくされてるよ。ジャッキは? ウチに何されたら嬉しい? ジャッキが嬉しいコト教えて、ウチもジャッキに優しくするの」
黒髪の星達がローズピンクに輝いている。
この娘は心の底から自分に優しくしたいと考えてくれてるんだ。
それだけで胸がいっぱいになる。
「マジョリカは充分優しいよ。自分、すごく幸せだよ」
「もう! なんかあるでしょ? ウチにしてほしいコト!」
「んー、じゃあね、自分がいない間、布の量が多い服を着てちょうだい。他の男に肌を見せちゃだめ。見て良いのは自分だけなんだから」
「うん、分かった、約束するよ。 ねぇ、それだけ? あとは? あとは?」
「んー、そうだなぁ……ん、じゃあね、もうひとつだけ。いっぱい好きって言って。マジョに好きって言ってもらえると幸せなんだ。それだけじゃない自信になるんだ。愛する妻に愛されていると思うだけで頑張れるんだ。だから言って。好きだって、愛してるって」
こんなに優しくて素直で綺麗なマジョリカ。
この娘がこんなにも愛してくれる。
それだけで自分には価値があるんじゃないかと思えるんだ。
「……ん、分かった。ウチ、毎日言うよ。ジャッキ、好き……大好き……ジャッキ、愛してる……すごくすごく愛してる」
この時、二色の瞳に映り込む自分の顔を見た。
そこには冴えないながらも、世界で……いや、宇宙で一番幸せな男の顔があった。
「マジョリカ……ありがとう。これで現世に行っても頑張れる。必ず帰ってくるからね。その時は一緒に住もう。毎日キスして、毎晩抱き合って一緒に眠ろう。1000年経っても離れない。愛しいマジョリカ、大切な妻……愛してる」
囁いた愛の直後、互いの唇は自然に引き寄せられ……しばらく離す事はできなかった。
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