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「えっぐ……えぐえぐ……ぐすっ……えっぐえっぐ……うわぁぁん」
手を後ろに組んだまま、忠実に待機をしていたヤマちゃんが大声で泣き出すと、つられたように二人を見守ってくれていたオペレータ達も泣き出した。
「ジャッキー、バラカスのオッサンに聞いたよ。現世に行っても黄泉の国と通信できるんでしょ? 現世でなんかあったらすぐに私らを呼んで。光道のオペは、もう全員アンタの友達だからっ!」
炎のドラゴンも豆柴ケルベロスも、超グラマラスなブリキのレディも、ド派手なデコトラも、妖艶な人魚姫も……そして白雪ちゃんも、涙でダクダクになりながらそう言ってくれた。
「ありがとう、本当にありがとう。いつか自分が帰ってきたら、みんなで酒を飲もう。それから……自分がいない間、マジョリカを、妻をどうかよろしくお願いします」
分かったよ、心配しないで、という声がいくつも重なって安心する。
「それからバラカス、色々とありがとう。貰ったギフト、大切に使わせてもらうよ」
「ああ、」とぶっきらぼうに答えるバラカスに、ヒソヒソ声でこう付け加えた。
「あとな、白雪ちゃんに気持ちが伝わる事を現世で祈ってるから。頑張れよ」
「ななっ!!」と今度ばかりはかなり動揺していた。
そんな話をしているとは思ってもないであろう白雪ちゃんが、スッと前に出る。
「ジャッキーさん、そろそろ」
コクリと頷き、マジョリカを見ると涙を零しながら笑顔で頷いた。
そして、
「ヤマちゃん! 待機解除! カウント5の後、光道を伸ばせ!」
「アイマム!」
ぴょんっと跳ねたヤマちゃんは、目の前のコントロール画面に立つと、チーフからのカウントを待った。
半瞬後、涙を拭わないマジョリカが背筋を伸ばし声を張った。
「カウント入ります! ファイブッ! フォーッ! スリーッ! ツーッ! ワンッ! GO!!」
ウサ脚が地を蹴った、
「イエッス! スウィッチウォーンのドーーン! ですのー!!」
宙でクルリと半回転、その勢いで画面を強くタップする。
刹那、頭上高く天空に、小さな太陽のような球体がスパークしながら出現した。
直接見たら目がおかしくなりそうな程に輝いて、プルプル小刻みに震えた次の瞬間、速度を持って上下に引き伸ばされた。
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