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球体は平たい一本の道へと進化を遂げた。
上部は薄いベールのような雲を突き抜け、遥か彼方天空へと伸びている。
そして下部側、キラキラと輝く道は自分の足元に起点を置いていた。
「ジャッキ、」
ギュウッと胸に抱き着くマジョリカにキスをして、愛してると何度も囁いた。
「マジョリカ……現世に着いて、落ち着いたらすぐに連絡するからね」
「うん」
「淋しかったら我慢しないで、なんでも言って。当たり散らして」
「うん」
「浮気なんて絶対ないから安心してね、マジョしか愛せないよ」
「うん、信じてる。ウチとジャッキは夫婦だもん」
「そうだ、自分達は夫婦だ。マジョ、愛してる……必ず帰ってくるから、いい子で待ってて」
「うん、……ジャッキ、ウチも好き、大好き、愛してる。ウチ、いい子で待ってる。ジャッキ、いってらっしゃい」
二色の瞳が淡く輝いている。
”いってらっしゃい”と笑ってくれたマジョリカに恥ずかしくないよう生きなおそう。
そしていつか帰ってくる時には、お土産をたくさん持ってくるんだ。
「ありがとう。マジョ……愛してる。いってくるね」
指を絡め両手を繋ぎ、最後のキスをした、
いや、最後じゃない、
またキスをする、
帰ってきたら、またキスをする、
何度も何度も____それまで少し我慢をするだけだ。
振り返り、優しい友人達と黄泉の親父に「ありがとう、また」と手をあげた。
「またね」と繰り返す友人達は次々に指を鳴らし出した。
フラワーシャワー、というものだろうか。
天からはたくさんの百色華の花びらが虹色に染まり、優しく降ってきた。
赤に青に黄色に紫____
そして、自分とマジョリカに降る花びらはローズピングに色を染め直す。
絡めた指をゆっくりとほどいた。
一歩、光る道に足を掛ける。
義足のつま先が輝く道に触れた瞬間、抗えない強い力に引っ張られた。
「ジャッキ! 愛してる、」
微かに耳に届いた愛しいマジョリカの声。
自分も同じだ。
どうしようもないくらい愛してる。
だからいい子で待っててくれ。
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