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____や、大和撫子じゃねぇぞ!
____そ、そうだ、そうだ!
「激怒の悪霊達だったんだけど、心当たりがあったのか完全否定できなくてね。その様子に弥生さんはまた大笑いしちゃってさぁ」
最悪だ。
てか、悪霊達に同情するよ。
通りすがりの女性に、いきなりそんなコト言われたら……ねぇ?
「笑われた悪霊達は、『ぶっ殺してやる!』とかなんとか言いながら、一斉に飛び掛かったの。マズイと思った自分は、全力で走って弥生さんの前に出たんだ」
1度は悪霊達に殺されたジャッキーさんだったが、2度目はそう簡単にはやられなかった。
なんてったって今回は、黄泉の父バラカスさんの自信作、第98霊力サーバーあるのだ。
『IDナンバー:JKC19540407、パスワード※※※※※、我に霊力を転送せよ! 前方1メートルに防御陣展開! 悪霊達から我らを守れ!』
緑色に発光する幾何学模様の陣が、ジャッキーさんと弥生さんを守る壁となり展開されて、悪霊達は後方に大きく弾かれたそうなのだが……み、視たい! その陣、めっちゃ視てみたい!
「退院してから練習がてら、サーバーに何度もアクセスしてたからね。咄嗟でもうまく霊力を使う事ができたんだ」
____な、なんだ、オマエ!
____邪魔するなぁぁぁ!!
弥生さんを殺そうとした悪霊達は、ジャッキーさんの妨害に激高し、2ターン目の攻撃に入った。
『お嬢さん、ここは自分が食い留めますから逃げてください!』
ジャッキーさんが二重三重に防御陣を展開しながらそう言うと、
『……もしかして、アタシを助けようとしているの?
ふぅん、誰だか知らないけど良いオトコじゃない、やだ惚れそう。これから二人で飲み行くか。つーか、ナニコレ? アンタも霊媒師? オモシロイ霊力ね』
逃げる気ゼロの弥生さんは軽口をたたき、ジャッキーさんの陣を興味津々で指で突っついたり眺めたりしていたそうだ。
『なにしてるの! 陣はいいから早く逃げてちょうだい!』
一向に逃げようとしない弥生さんに、「いいから、はよ行け!」と言い続けるジャッキーさん。
悪霊達は、重なる防御陣にアタックを掛けまくり、一枚目に亀裂が入り始めている。
弥生さんさえ逃げてくれれば、後は防御陣をもう何枚か展開し、足止めしている間に逃げる事ができるのだ。
なのに巻き髪の酔っぱらいは、ゴキゲンで防御陣に夢中になっていた。
『こんなに純度の高い霊力は初めて視たわ。印も結んでなかったのに……ちょっと! アンタやっぱり霊媒師でしょ? それかエクソシスト? どっかの会社に入ってるの? でなけりゃフリー?』
両手で陣をナデナデしつつ、ワクテカ顔で振り向く弥生さんの言ってる事がよく分からない。
霊媒師? エクソシスト? 会社? フリー?
……とりあえず、
『お嬢さんの言ってる意味が分からない! ただ、自分は今無職なのでドフリーです! ねぇ、お願い! とっとと逃げてちょうだい! オジサン、防御で精一杯なの!』
半泣きで弥生さんに訴えた。
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