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ジャッキーの説明を要約すると、まず【光道開通部】。
これは黄泉の国にある光る道を手配する担当部署で、死んだ人達に道を伸ばして導いたり、アタシや他の霊媒師が光る道を呼んだ時も、やっぱりその人達が道を手配してくれてるんだって、ふぅん。
ジャッキーが光る道を呼べるのは、二年前に二人が初めて会った廃ビルで、アタシが滅した悪霊4体に襲われたから。
そのせいで生死の境を彷徨って、結果生還したけど一度は死んで黄泉の国まで逝っちゃって、その時に【光道開通部】のオペレーター達と知り合って仲良くなった。
それ以来、仲良しのオトモダチはジャッキーが言えば光る道を伸ばしてくれる、それも楽しいお喋り付きで。
アタシら他の霊媒師とは扱いが違うよね。
だってさ、アタシらがどんなに呼びかけても返事なんかしてくれないもん、ただただ道を寄越すだけ。
まぁ、いいけど。
「みんな良い人達ばかりなんだ。自分と仲良くしてくれる」
あ、そう。
それは分かった。
「へぇ、じゃあさ、もう一つ聞いていい?」
不機嫌全開で聞いてるのに、この男「なんだ?」なんて、だらしのない顔して気にもしていない。
なにそれ、マジョリカって人と話したのがそんなに嬉しいの?
ああ、腹が立つ。
「あのさ、さっきの光る道はマジョリカって人が伸ばしたの?」
ああ、やっぱり。
いきなり空気が変わった。
アタシがマジョリカって名前を出したら、急に真顔になった。
「なんで、弥生がマジョリカを知ってるの?」
「はぁぁ? だって、光る道を呼んでた時、マジョリカ、マジョリカってうるさかったんだもん。嬉しいとか幸せとかアイシテルとか、そんな事まで言ってたよね? まさか、聞こえてないと思ったの?」
アタシがそう言うと、ジャッキーは顔を真っ赤にした。
ビールでも焼酎でもウィスキーでも、なにを飲んでも顔色一つ変えないクセに、マジョリカには反応するんだ。
「あ、そっか、ごめん。自分、声が大きかったのか。聞こえてないと思って好き勝手に喋っちゃった。参ったな……急に恥ずかしくなってきた」
オッサンが照れんなよ。
ああ、腹が立つ。
「いいから教えてよ、マジョリカって黄泉の国の人なんでしょ?」
「ああ、マジョリカも黄泉の国の住人だ。【光道開通部】所属の娘で、さっきは、たまたま応答してくれたんだ」
「ふぅん、随分親しかったよ。オトモダチって感じじゃないくらい」
「ああ……うん、そうかな? そうだね、」
鼻の下が伸びてる。
なに? その子は美人なの? いくつなの? ジャッキーとの関係は?
聞きたい……でも、ああ、とりあえず、
「その子っていくつなの?」
「え? なんで? 享年でいえば17才だよ」
17? え? 17才?
なんだ……子供じゃない。
そっか、そうか、そうなんだ!
あーーなんだぁ!
びっくりしたー!
そっか、17才の子供かぁ。
ジャッキーの性格的に17才の子供を好きになるとかなさそうだし、名前もマジョリカって外国名だし。
外国人の女の子になら”愛してる”って言っても、親愛の意味なのかも。
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