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話している内容はぶっちゃけくだらない。
だけど弥生さんと話していると、会話は延々続くラリーとなる、僕が話し上手なんじゃない、弥生さんが言葉を引き出してくるんだ。
この人こんなに楽しかったんだ。
現場で会ったときと全然違う。
もっとずっと話していたいな。
お喋りして笑いながらの作業はぜんぜん進まなくて、時間はかかったけど、とはいえ15分? 20分? くらいなもので、けっこうしっかりシチューを食べた僕達にはちょうどいいくらいだった。
ガチャッ!
ん?
なんの音だ?
キッチンに二人で並び、ヨーグルトにソースをかければ完成というところで、玄関方向から聞こえた音。
直後、乱暴にドアが開けられる音がした。
えっ!
今ドア開いたよね!?
さっき一緒に帰ってきた時、弥生さんは鍵をちゃんとかけていた、じゃあ誰が入ってきたんだ!?
弥生さんは表情を強ばらせている。
正体不明のビジターに、咄嗟に弥生さんを僕の背中に隠したすぐ後。
汗だくのジャッキーさんが、義足の足音を響かせながら大股で入ってきた。
「ジャッキーさん!?」
「…………なんで?」
なんで?
本当になんでだ。
呆気にとられる僕達の前に来たジャッキーさんは、迷う事なく後ろの弥生さんの手を引っ張った。
「痛いよっ!」
抗議めいた声。
乱暴に引き寄せたジャッキーさんは、冷たい声でこう言った。
「部屋に男を入れるなって言ったよな?」
手首を掴まれた弥生さんは、腰をくの字に曲げてジャッキーさんと距離を取ろうとした。
が、もう片方の大きな手が、逃げる腰を掴み寄せて離さない。
弥生さんは動きを封じられながらも気丈に抗議する。
「ナニ言ってんだよ! 男じゃないよ! エイミーちゃんだよ!」
いや、男です。
書類の性別欄に【男】【女】【エイミー】って記してあるの見たコトある?
ないでしょ?
って、そんな事より……なんでジャッキーさん部屋に来たの……?
弥生さんと距離を置いてるはずなのに。
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