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「…………人が大人しくし聞いてれば……だーーーーっ! さっきからアタシばっかり責めるけど、ジャッキーだって約束破ってるじゃんか! 部屋の中はウサギ監視しないって言ったよねぇ!」
消毒の提案の前に弥生さんがキレた。
それに対しジャッキーさんは冷静で、
「仕方なかった。頭を打った弥生がどうしてるか心配だったんだ。電話も来ないし倒れてたら大変だろう? 緊急事態だから霊視した」
ふぅん。
じゃあまずは、ジャッキーさんから電話すれば良かったんじゃないですかね?
電話もしないで、いきなり女性の部屋を霊視のって、どうなんですかね?
ま、そんな余裕がないから、アナログに走って来ちゃったんだろうけど。
「はぁぁ? だってさ、一人でどうしようもなかったら電話しろって言ったんじゃん! なんともないから電話しなかっただけじゃん! そんなに心配だったらジャッキーから電話くれればいいだろ!」
あ、やっぱり弥生さんもそう思う?
だよね、なんの為のスマホだよ。
てか、ジャッキーさんなら直接声も飛ばせるのに、そーゆーのしないで、約束破って霊視って、どーなんですかね?
心配もしてただろうけど、部屋に男がいないか確かめたかったんじゃないですかね?(今回、僕がいてヒットしちゃった!)
去年の弥生さんのピンチを救ったのも、定期的に霊視たからじゃないですかね?
もしかしてジャッキーさん、弥生さん限定の変態さんですか? てか、そうだろ。
「倒れていたら電話には出られないだろう? 霊視方が早い」
わーお! 正々堂々、霊視を認めたよ!
「あ、それもそうか」
えっ!?
弥生さん、「なるほどね」みたいに納得しちゃってるけど、それでいいの!?
この人、丸め込まれちゃったんじゃないの!?
この人、いつもこんな調子で丸め込まれてんじゃないの?
まぁ____
「まぁ……弥生さんがいいならいいけどさ。ジャッキーさんも心配なのは分かるけどやりすぎって言うか、テンパりすぎっていうか、やる事が乱暴って言うか、余裕ゼロって言うか、仕事中のジャッキーさんとはえらい違いだ……強気なヘタレだよ」
あれ……?
なに?
どうしたの?
心の中でジャッキーさんに突っ込みを入れていたはずなのに、なぜに二人してそんなに僕を見てるのか、
「エイミーちゃん……今、心の声が漏れてたよ」
「エイミーさん、自分はヘタレかい?」
アウチ……やっちまった。
心の声、ミュートになってなかったみたいだ。
「あは、あはははは、いや、そんな、ヘタレじゃないですよ。今のは言葉のアヤっていうか……ねぇ! あはははは……ハッ! そんなコトよりジャッキーさん、足、痛くないですか? ジーンズの黒いシミ、たぶん膝から血が出てると思うんです、」
僕がそう言うと、ジャッキーさんも弥生さんも揃って目線を下げた。
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