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中にはさ。
良い大人が甘えるな、強くなれ、みんなそういうのを抱えてる、みんな同じに辛いんだ、それでも頑張って生きている、そんなのは言い訳だ、誰かを傷付ける想いは悪だ____そう非難する人もいるだろう。
間違っちゃないよ、きっとそれが正しいんだ。
間違ってるのはアタシとジャッキーだ。
だけどさ、みんなそんなに強いのか?
誰も彼も、泣きたいほど辛い時、それでも正論に乗っ取って、ひとつも間違える事なく正しい道だけを進めるのか?
辛さに溺れて、もがいて苦しくて助けてほしいと強く望んで、傍にいる優しい人に、好きな人に、必死になってしがみついたりしないのか…………?
…………あぁ、ごめん。
今のはまるで、アタシを正当化してるみたいな言い草だ。
チガウ、そうじゃない、ただ、アタシとジャッキーは無理だった。
間違いを知っていながら、依存して感謝して、結局は愛してしまった。
だけどそうだよ。
間違ってる事は痛いほど知っている。
アタシを……間接的に救ってくれたマジョリカを傷付けたくない。
ジャッキーが大好きだけど、片想いの頃とは違うから、気持ちが通じてしまったから、だから、サヨナラだ。
もう一度サヨナラって言った時のジャッキーは、悲しそうで、辛そうで、だけどもう声を荒げたりはしなくって、きっとコイツも分かってるんだって思った。
だってさ、出逢った頃からそうだったもの。
好きな食べ物も好きな飲み物も驚くくらい一緒でさ、何時間でも話していられるくらいに気が合った。
アタシ達はさ、すごく似てるんだ。
暫く見つめ合ったよ。
二人で写真とか撮った事がないから、焼き付けておきたかったんだ。
それからジャッキーはアタシの事を抱き寄せて、
____わかった、もう逢わない、
って言ったんだ。
そして、
____おまえを愛してる、
とも言った。
そういうコト言うなって、泣きながら笑ったら、
____自分はもう、誰にも嘘をつきたくないんだよ、
それが、ジャッキーの最後のコトバだった。
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