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◆
公園に張った生者避けの結界。
これは念の為、このまま残す事にした。
集めてしまった悪霊を滅するにあたり、なるべくジャッキーさんの家の中でコトを完結させたい。
だがもしも悪霊が家の外に逃げ出した場合、生者がいない場所に誘導する必要がある……その為に残すのだ。
元々人が来ない場所だしね。
解除はすべてが終わってからでも遅くないよ。
【まじょりか ヤヨイと て つなぐ】
おねんね中だったヤヨちゃんに起きてもらって、マジョリカさんの護衛につけた。
少し眠って元気になったのか、小さくぴょんぴょん跳ねているのが可愛らしい。
「マジョリカ、これから行くジャッキーの家の中は、おそらく悪霊達でいっぱいだ。さらに言えば、ジャッキーの中にもいるかもしれない。絶対にヤヨちゃんの傍を離れるな。悪霊は綺麗な女が大好物だからな。特に女の髪は狙ってくる。本当はどこかで隠れててもらいたいけど……外に独りにさせるもの、同じくらい危険で心配だ。だったらアタシらと一緒の方がいい。大丈夫、ヤヨちゃんもいるし、エイミーちゃんもいる。もちろんアタシもだ。アンタを絶対に守るから」
先週一緒にシチューを食べた時の、妹キャラのような弥生さんとは正反対の、頼れる姐御といった強さが漲っている。
確かに弥生さんは強い、戦闘能力もあり霊力もある。
だけど身体は一つしかないのだ。
これから行くジャッキーさんの家にどのくらいの悪霊達がいるのか分からないけど、弥生さんばかりに負担を掛けちゃ駄目だ。
僕も頑張らなくちゃ。
ヤヨちゃんとしっかり手を繋いだマジョリカさんは、かなり緊張した面持ちだ。
それでも、
『大倉……ありがとう。ウチ……みんなの足を引っ張らないようにヤヨイの傍離れないよ。……本当はすごく怖い。黄泉には善人しかいないから、悪霊なんて聞くと震えちゃう。……だけど行かなくちゃ、だってジャッキが心配だもの。ジャッキになにかあったら……ウチ……』
涙が零れそうになったマジョリカさんだったが、その前に目を擦り、気合で止めた。
「じゃあ、出発だ」
リーダーの声がかかった。
急遽組まれた僕達フォーマンセルは、揃ってジャッキーさんの家へと向かったのだった。
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