第十六章 霊媒師 弥生の気持ち

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◆ ~~ジャッキーとマジョリカ・マジョリカ視点~~ 今度こそぜんぶが終わった。 ジャッキに憑いてた悪霊も、岡村が拘束してた悪霊も、みんなみんな地獄へ流した。 今まで、黄泉の国から【闇の道】を伸ばした事は何度かある。 でも伸ばした先の現世で【闇の道】を視るのは初めてで、怖くて衝撃的で、ウチは悪霊にさらわれ地獄に連れていかれそうになったけど、大倉とジャッキが助けてくれた。 すべてが終わって、繋げたままの回線でバラカスと白雪ちゃんにお礼を言って、黄泉に戻ったら詳しく話すよって、通信を切ろうとした時に、白雪ちゃんに引き止められたんだ。 ____マーちゃんに言ってない事があるの、ジャッキーさんの事で。 ジャッキの話? 言ってない事ってなんなの……? 公園には部外者が入り込まないよう、大倉と岡村であらかじめ、生者避けの結界を張っていたそうだ。 みんなでジャッキのオウチに帰る前、結界の解除とか、ちらかした公園内の簡単な掃除とか、それをジャッキと大倉と岡村の三人で手分けして、死者で手伝えないウチは、その間に白雪ちゃんの話を聞いたんだ。 【ついこの間、ジャッキーさんから連絡が来たの。私になんて珍しいなって思った。なんて事ない雑談をしばらくて、雑談の延長で彼の質問に答えてたの。 その時は気にも留めなかった。 でもね、最近のジャッキーさん、深刻に悩んでるってバラカスからさっき聞いて、それを考えると、あの質問は危険だなって。 もっと早く言えば良かった……ごめんね、 ジャッキーさんにマーちゃんはヤキモチ焼きだから、私と通信した事は黙っててって言われたの。そんなのダイジョウブだよって言ったのに、どうしても内緒にしてくれって、ケンカになっちゃうからって……本当にごめん、やっぱり話しておくべきだった。____それで、話の内容なんだけど、】 嘘でしょ……ジャッキがそんな事を考えていたなんて、ウチは想像もしてなかったんだ。 聞き終えて怖くなって、ペンダントを持つ手が震えてしまって止まらなかった。 この話はバラカスも知らなかったみたいで『いいかマジョリカ、絶対にジャッキーを止めろ』って動揺してた。 分かってる、そんなの止めるに決まってる。 帰ったらジャッキと二人になったら話をしなくちゃ。 たくさん話して、気持ちを聞き出して慎重に、なんとか思いとどまらせるんだ。 ジャッキにそんな事は絶対にさせない。 そのためならウチはなんだってするよ。
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