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『ジャッキ、今なにを考えてる? ウチともう逢わないってまだ思ってる? イヤだよ、別れない。だってジャッキはウチを嫌いになったんじゃないでしょう? 好きなんでしょう?』
別れたくない、それはもちろんだけど、ウチがジャッキに縋る理由はそれだけじゃない。
さっき白雪ちゃんから聞いたもの。
ジャッキはウチと大倉の前から姿を消そうとしてる。
二人の女を好きになって、ウチを大倉を傷付けたと責任を感じてる。
「……ああ、好きだよ。マジョが好きで好きでたまらない」
『だったら!』
「だめだよ。だって自分は……」
『……大倉のコトも好き、なんだよね?』
「……そうだ」
知ってるけど聞けば辛い。
だけどウチは逃げたくないよ。
ジャッキを止めたいよ。
『……でもさ、ジャッキ前に言ったよ。大倉と付き合うつもりはないって』
「ああ、」
『抱き合った事もないって、』
「ああ」
『もう逢うつもりもないって、』
「ああ」
『だったら今まで通りで良いじゃない。ウチと夫婦でいようよ。それとも……ウチより、大倉の方が好きなの?』
「……マジョ、ごめんな。そうじゃないんだ。自分はね、マジョと弥生、黄泉と現世。二つの世界でそれぞれ出逢って救ってもらったの。辛くて、独りではどうにも出来ない苦しみから引き上げてもらったんだ。二人がいなければ自分はどんどん落ちただろうし、やがて腐って絶望し、自ら命を絶っていた、……下手すれば自分が悪霊になっていたかもしれないよ」
ジャッキが悪霊に……?
昨日視たアイツらみたいになってしまうと言うの?
ジャッキは悪霊になんかならないよ。
考え方は極端だけど、嫌になるほど頑固だけど、だけどやっぱり優しい人だもの。
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