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とりあえず引っ越しはしよう。
ジャッキーの家とアタシのアパート、近所すぎるもの、絶対会っちゃうもの。
スーパーとかコンビニとかホムセンとか、余裕で遭遇しちゃいそう。
下手すりゃ週3くらいで逢っちゃいそう。
大体さ、初めて出逢った場所も近所だった。
あの廃ビルはジャッキーの家とアタシのアパートの中間地点にある。
駅からの帰り道、アタシはいつもあの廃ビルの前を通るんだ。
初めて逢ったあの夜、ジャッキーは悪霊達からアタシを守る為に防御陣を展開させたんだよな。
必死な顔で「逃げろ!」なんて言っちゃってさ。
きゃーーーー!
思い出しただけでトキメク!
アイツって特別カッコイイって感じじゃないのに、ぱっと見普通の男なのに、強烈な磁力があるんだよなぁ。
あの磁力で「逃げろ!」って守られたら、そら惚れるわ。
そう、不可抗力だ。
一目惚れに近かった。
だからジャッキーを強引に飲み誘って、その時いた悪霊四体が邪魔で瞬殺したんだ。
今思えば瞬殺しといて良かった。
アイツが廃ビルに行った理由、それはあわよくば悪霊達に殺されようとしたからだ……マジョリカに逢いたくて、黄泉の国に逝きたい一心でさ。
あのまま悪霊達を野放しにしていたら、きっと別の日にまた廃ビルに行ったに決まってる。
無茶するなっての、まったく。
無茶と言えば今回の悪霊取り込みもそうだよな。
霊媒師が自分の身体を依代代わりに霊を取り込む、確かにそういう術はあるけどさ、それは善霊を一体のみ取り込むのが前提だ。
悪霊を取り込むなんて聞いた事がない。
あまりにも危険だ。
しかもあの野郎、十体も取り込みやがった。
いくら悪霊を霊力サーバーの代わりにしたかったとは言え、無茶しすぎ。
あんなコト普通は怖くて出来ない、下手すりゃ死ぬもの。
家の中には取り込みそこねた悪霊達がウジャウジャいたし、そもそもアイツはボコられて風呂の中に沈んでた。
アタシらが助けに行ったから良かったんだ。
そうでなかったら死んでたかもしれないよ。
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