第十六章 霊媒師 弥生の気持ち

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~~新たな未来へ・最終話~~ ◆弥生さんの長期休暇が終わったようです・僕視点 マジョリカさんを口寄せした日から、ちょうど一カ月がたった。 僕と弥生さんのツーマンセル。 深夜の公園にマジョリカさんを口寄せし、女性二人の修羅場があって、悪霊憑きのジャッキーさん救出からの、ラストファイナル【闇の道】という、僕にとっての地獄絵図もあったけど、どうにかこうにか一件落着となった。 あの後、ジャッキーさんの家で深く寝入った僕が起きた時、弥生さんはすでに帰ったあとだった。 そこから長期休暇に入った弥生さんとは全然会えなくて、電話をしても繋がらなくて、弥生さんから連絡があったのは、ツーマンセルから三週間後に来たラインが一通。 【元気? 何度か電話くれたんだね、出れなくてごめん。今アタシはバタバタで忙しいけど元気にやってる。引っ越ししたんだ。色々あって話したい事がいっぱいあるけど、電話やラインじゃ容量オーバー。今度ゴハンを一緒に食べよう //◕ ‿‿ ◕\\】 引っ越し、したんだな。 言ってくれたら手伝いに行ったのに。 弥生さんの新居ってどこなんだろう? 今度は駅から近いといいなぁ……あの人、夜遅くまで飲み歩くから心配だ。 それとゴハン、ちゃんと食べてるかな。 自炊する人だから大丈夫だと思うけど、部屋の片付けだってあるだろうし、コンビニで済ませたりしてたら栄養バランスが悪くなっちゃう。 唐揚げ、あとシチューとキッシュとパン。 いっぱい作って持って行こうかな。 …… ………… ジャッキーさんとはどうなったんだろう。 ”好き”、だけでは、どうにもならない事ってあるよね。 ジャッキーさんと弥生さん、痛いほど好き合っているのに。 だけどマジョリカさんがいるんだもの、身を引く以外に道はない。 落ち込んでなければいいけど……って、それは無理だよな。 あの人、強がり言わせたら日本一だけど、けっこう弱い。 今頃どうしているだろう。 はぁ、なんてため息を一つ。 僕は書きかけの報告書に猫の落書きをしつつ、弥生さんに想いを馳せていた。
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