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それから僕達は、夜も遅くまでたくさんお喋りをした。
霊力の話は一通り終わったからと、みんなの話から黄泉の国の話まで、何度も脱線しつつも話は尽きず、気が付けば窓の外は明るくなりかけていた。
「……ん、今って何時? 久しぶりに徹夜なんてしちゃったな。さすがに眠くなってきた……けど、もったいない、まだ寝たくない……先代と遊びたいぃ」
沈没寸前のヤヨちゃんかってくらい眠くてフラフラ。
気持ちはもっと話していたくて土俵際で踏ん張るけれど、僕の瞼はくっつきそうで、そろそろヤバイ。
『んもー、子供じゃないんだから、眠いなら無理せず寝なさいよ。ほら、ベッドに入って、布団かけて。私はテキトウに帰るから……って、ぷぷ……! 岡村君、私の服を掴むのはやめなさい』
半笑いで呆れる先代。
その声は後半、だんだん遠くになっていく。
「先代……朝ゴハン……一緒に食べましょ……僕……作るんで……だから帰らないでここにいて……むにゃあ」
半分以上意識が飛んでる、だけど先代を引き止める。
夜があまりに楽しかったから、朝起きていなかったら淋しもん。
せめて朝ゴハンだけでも……おーねーがーいー
『ああん、もうわかりましたよ。岡村君が起きるまで部屋にいますから、だから安心して少し眠りなさい。まったく……こんなに手がかかる子なんて知りませんんでした。やれやれ、』
えへへ……ごめんなさい……先代ダイスキ……だからいてね、ここにいてね、
『ま、手のかかる子ほどカワイイと言いますからねぇ。岡村君は私の三男だから仕方ありません。……岡村君、……修行、頑張ろうね。……私の知ってるコト……みんな教えて……あげるから……』
ああ……だめ……もうもたない……寝ちゃう……先代の声が切れ切れになってきた……
『……岡村君の……霊力……ある程度で……止めてしまわないと……私が……止めます……キミを……守り……ます……か……ら』
……?
霊力を止める……?
なにを言っているのかわからない。
聞こうとしたのに……それは叶わなかった。
睡魔はもう待ったなしで、僕は深い眠りの中に落ちてしまったからだ。
……
…………
………………先代の謎のコトバ、
その意味を知ったのは、もっとうんと未来になってから……だった。
霊媒師 持丸平蔵__了
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