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聞いてみようかな……と思ったんだけど、なにしろ前の座席は盛り上がっているのだ。
嵐さんもすごく楽しそうで、ジャマするみたいで話しかけにくい。
これは少し待って、二人のお喋りが一区切りついたタイミングでいくのがベストだろう。
大丈夫、退屈じゃあない。
だって僕には愛しの猫又、大福餅が……って、寝てるーー!
後部座席でまん丸になって、ふわっふわのアンモニャイトがぷすーぷすー言っちゃってるんですけどーー!
さっきまで二尾のしっぽをフリンフリンさせながら窓の外を眺めてたのに。
ははーん、さては飽きたな?
大福に遊んでもらうつもりがあてが外れた……いや、そうでもないか。
だって寝顔がチョー可愛い。
ちっちゃい鼻と大きな耳がまっかっか、ついでに肉球もまっかっか(正確にはピンクだけど)。
こんなにキュートな生き物を、こんなに間近で見れるなんてサイコー!
下手すりゃ永遠に眺めていられる。
なんだ、まったく問題なかったよ。
キーマンさん、嵐さん、思う存分お喋りしてくださーい。
エンジェルすぎるアンモニャイトプリンセスを(情報が渋滞してる)、ナデナデしつつ、なんとなくキーマンさんと嵐さんのお喋り聞いていた。
「ところでキャサリン。ブラァシュはまだオーバーカミング出来ないのか? ……おっと、気を悪くするのはナシだぜ? もしノットオーバーカミングなら良いアイテムがあるんだがな、」
むぅ……”ブラァシュ”の意味がわからないけど、話の続きから推測するに”顔が赤くなっちゃうコト”に関連するのかな?
「気なんか悪くしないよ、大丈夫。それで……? 赤面症に良いアイテムってなに……? そんなのあるなら教えてほしいな」
「OK、そうこなくっちゃ。ラスト ウィークだ。俺が商品の買い付けに卸問屋に行った時、ボーイもガールもスーパーキュートになるコスメティックの中に、コントロールベースというアイテムを見つけたんだ」
コントロールベースってなに?
もうね、キーマントーク難易度高い。
ついていくのに気が抜けない。
「コントロールベースって……女の人の化粧下地のコト?」
「ビンゴ! コントロールベースも色んなカラーがあってな、その中でも……グリーンが良いんだ!」
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