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化粧下地って、弥生さんに聞いた事があるぞ。
ファンデーションをつける前に塗るヤツだよね。
てか、グリーン?
そんなんつけたら、かの有名なピッ〇ロ大魔王さんみたいになるんじゃないの?
それ、赤いより恥ずかしいんじゃないの?
「キーちゃん、本当にグリーンで赤いの隠せるの? なんかピンとこないなぁ」
んー、なんて首を傾げる嵐さんに、キーマンさんはこう答えた。
「イェアァ……ノープロブレムだ、ドミニク。すでに俺がトライ済だからな」
「え? だってキーちゃんは、顔赤くならないのに?」
「まぁな。だが、ジェーン。俺はやった。グリーンのベースをつけた後、ミラーの前で、過去のあらゆる恥ずかしかったイクスピアリエンスを思い出して、悶絶し、リンゴフェイスになるまで諦めなかった」
ウソ……嵐さんの為にそこまでやったの?
キーマンさん、変わってはいるけど良い人だよな。
「そのリザルト……アゥイェア! 俺の顔はオーバーヒートでアッポーのようだった! なのにミラーに映る俺は赤くない! グリーンがレッドを抑えたんだっ! 効果はある! だからキャサリン、レッツトライだ!」
ヒーーーーハーーーーーッ!
よくわからないけど、ハイテンションで叫ぶキーマンさん(だけど運転は丁寧なまま)。
嵐さんは、「キーちゃん、声が大きいよ」と笑ってる。
そのグリーンの下地が、どれほどの効果があるのかわからないけど、それでもキーマンさんは嵐さんの為に、わざわざ買ってまで実験したんだ。
その気持ちだけでも充分にありがたい話だよ。
バックミラーに映る嵐さんは、目は真っ赤なのにとても嬉しそうな顔をしていた。
そんなこんなで、僕達を乗せた車は今、ウィンカーが出され、ゆっくりと左に流れていく……高速道路入口だ。
これに乗って数時間もすれば、目的地である斎藤様宅に到着するのだ。
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