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「ねぇ、おはぎ。キミは人の言葉が分かるんだよね?」
さっきの感じじゃ分かっているとは思うけど、念の為に聞いてみた。
するとおはぎは得意な顔して言ったんだ。
『へな? へっにゃーん♪』
くぅぅぅ!
可愛い、可愛すぎるぞ、キミィ!(ココからスーパーフィーバータイムに突入です)
「そうなんだ! スゴイねぇ、かしこいねぇ、おはぎは天才だねぇ」
先代くらいの勢いで、思いっきり褒めてみた。
や、でもね、本当にそう思うよ。
だって僕、英語とか出来ないし、日本語だって怪しいし。
褒めてもらって嬉しいのか、おはぎはさらにゴキゲンで、ひっくりかえってバタバタしてる(だから可愛い)。
香箱座りの大福は、そんなおはぎを優しくペロリ。
ああもうなにコレ。
すごいほのぼの、すごい平和、本気で仕事を忘れそう。
とは言え、忘れる訳にはいかないので、次の質問を投げかけた。
「じゃあさ、じゃあさ、人の言葉が分かるってコトは……喋れちゃったりもする?」
この質問が本命だ。
どうだろな、ドキドキしながら答えを待った。
するとおはぎは『へにゃん!』と大きく頷いたんだ。
「えっ! ホント!? すごいじゃない! ねぇねぇ、ちょっと喋ってみて! 僕に聞かせてよ!」
よっしゃキターーーーーーー!
これで事情聴取は楽にいける!
おはぎが人語で話しだすのをワクワクしながら待ていた。
どんな感じに話すんだろう?
大福みたいに大人な感じに話し出したら、ギャップに萌え死にしちゃうかも!
小さな霊体をチョコンと起こし、膝の上に座り直したおはぎ。
チビ子は僕をキュートに視上げて、お口をモゴモゴし始めた。
『……モゴモゴ……モゴ……モゴモゴ』
僕と大福、一緒になっておはぎを視つめた。
おはぎはすぐには話さなくって、何度も何度もモゴモゴし、息を吸って息を吐いて、丸い背中をプルプルさせてと、なんだかすごく頑張ってる。
話すまでに長い助走が必要なのか、とにかく僕らはその時を待っていた。
『……モゴモゴ……へにゃ……へ……にゃ……ひにゃ……』
時間をかけて、ココ一番の真剣な表情で、搾るように声を出す。
だ、だいじょうぶかな?
なんだかちょっぴり苦しそうだし、辛いなら無理しなくていいんだよ……と言おうとした時だった。
パヤパヤ毛皮をぼわっと逆立て、小さなお口をパカーッと開けて、
『ひにゃ……ひ……ひ……ひ……ひでみっ!』
大きな声で僕の名前を口にした。
「おぉっ!!」 + 『うなっ!!』
僕とお姫の声が重なり、テンションは急上昇。
すごいぞ!
本当に喋った!
おはぎは人語が話せる仔なんだ!
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