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「あの……おはようございます、これ一体なにがあったんですか?」
開けっ放しにのドアに立ち、散らかりまくった女子更衣室を唖然と見ているのは出勤してきたユリちゃんだった。
「おぅ、ユリおはよう。悪いな、野郎が女子更衣室にいて驚いたろ?すぐ出てくからな」
そうだった!
女子更衣室に男性が入るって絶対ダメなことだよ!
ユリちゃんに不信感を与えてしまう。
「ユリちゃん、ごめんね。僕らすぐに出るから! 女子更衣室に入ったのには訳があってね。それにこんなに散らかしてごめん!」
両手を合わせて謝る僕にユリちゃんは言った。
「訳があるんですよね? 大丈夫ですよ、部屋の中も私が片付けておくから心配しないでください」
ユリちゃん……普通もっと怒ったりイヤな顔したりするだろうに、出勤して朝一で女子更衣室にいる僕と社長を信じてくれるんだもの。
下手すりゃ変質者扱いなのに、この子……めっちゃ良い子だ!
「ミューズ、エイミー、下の事務室行くぞ。そこでちょっと話そうや。それからユリは更衣室の片付け頼むわ。片付けるのは始業時間過ぎてからでいいからな。終わったら事務室に来てくれ」
「はぁい」と返事をするユリちゃんを置いて、僕と社長と水渦さんは女子更衣室を後にした。
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