○○ロス

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事の始まりは半年近く前の事だった。 私、重庵憂司(じゅうあんユウジ)は 「月刊エブリスタ」で初となる連載を 獲得した、ネット出身の小説家である。 小説家…と言っても読者の方々と変わらない。 素人の小説好きがこうじて書き始めてみたら 担当である安間恵治(あんまケイジ)から 文筆力を認められて作家の道を歩む事になった 素人に毛が生えた程度の腕前しか持っていない。 それまでは、のらりくらりと気の赴くままに 作品と呼べない代物を書いていた程度の者だ。 それなりの力があったのか、担当の安間から 「重庵先生、連載してみませんか?」などと 甘い誘惑を受けたのが、全ての始まりだ。
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