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面倒臭い。
そう思いながら、モニターインターフォンの【通話】ボタンを押す。
「はい…?」
「こんにちは、この度隣に越してきました。
ご挨拶の品をお渡ししたいのですが…。」
「少々お待ち下さい。」
そう言って通話を終了させて、引っ越しの挨拶か。
と、心の中で呟いて玄関へと向かう。
「どうも、宜しくお願いします。」
「わざわざありがとうございます。
宜しくお願いします。それでは………」
ドアを開けると、スラッとした男性がいて言葉の後に、綺麗に包装された物を差し出された。
在り来たりな挨拶を済ませ、粗品を受け取りそれこそ在り来たりな終わりの言葉を言って、ドアを閉めようとドアを引いた時
「俺の事、忘れました?」
「はい?」
と、笑顔で話し掛けられ私は疑問符を浮かべ返事をした。
…考えてはみたけど見覚えがない私は
「ほら、俺ですよ。」
新手の詐欺かなんか?
と、やはり在り来たりな疑問を抱いた。
「ほら、屋上で。」
「あの時の!?」
「お久し振りです。
3週間振りですかね?」
こんな偶然があるなんて思ってもなかった。
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