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あのお節介極まりない男と、まさか隣同士の家だなんてこれは何の悪戯だろう?
正直、嬉しくなんてない。
「その後は、どうですか?」
「特に何もありません。」
何で、話さなきゃいけないの?
寧ろ、私は貴方に良い印象持ってない。
それに、その後はって何?
ーピリリリリッー
心の中でお節介男に悪態を吐いていると、聞き慣れた機械音が部屋中に響いた。
「…電話、ですよ?」
「分かってます、では。」
そう答えてドアノブを今度こそ引いた。
少し、時間が経ってバタンと扉が閉まる音がした。
当然、これで私は1人きり。
けたたましく鳴り響くこの着信音は会社関係者。
「はい、日向です。」
ケータイを右耳に当てて左手に煙草。
『日向さん!!
休みにすみません。』
「安堂、どうしたの?」
電話の相手は新入社員の安堂君。
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