第一章・ーさけんだー

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 ……。  しかしそれにしても、壁中に切り傷? のような跡まであるとは。  もしかして何かしたかな、部屋を汚すような事。  本当に、キレて暴れるような、短気なところを何とかしないとなぁ。  ダメだなぁ。  ああ。それに、今までの部屋も、何だか不気味なオブジェわオーナメントが沢山飾られていたし、長居する内に、段々頭が痛くなってきた。  ……そうだよ。やっと、やっと思い出した。  単にアレ。シュミだったのだなぁ。  はは。ははは……。ははははははははははははははははははははは……!  この家の連中もしつこいな。何回始末すれば、いい加減、悲鳴のような声を上げるのを、諦めるんだか。  ただこの家は、込み上げてくる怒りやら殺意やらの衝動を抑えてくれるには丁度良いから、何度も利用させてもらっている。  その度にヤられてるってのに、一体何回始末されたら、満足するんだろうなぁ?  ははは。  需要と供給がぴったり一致したから訪れるだけで、そう言えばここは自宅でもない。  自宅と呼べる場所なんて、もうとっくの昔になくなっている。  だからかなぁ。  もう、なんどめかなぁ。  ここにくるの。  あいつらしまつするの。  かんたんすぎて、もうあきてきたんだ。  そろそろさ。  ……かいほうしてくれよ。  おたがいもう、このよにはいないんだから――。          ―了―
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