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頭からおびただしい血液を流して、中年男性と青年は、ビクビクと体を痙攣させていた。
悲鳴と、助けを呼ぶ声で、駅構内は騒然とする中。
「皆さーん、悪者はやっつけました」
彼の言葉に、皆、一瞬で静まり返り、硬直して、微動だにしない。
「あとは、よろしく!」
そう言い残すと、小走りに去っていったのであった。
誰もが黙ったまま、その後ろ姿を見送った。
漫画みたいな、彼の事を。
その、禍々しい力に、畏怖の意を込めて。
人は彼を、こう呼ぶ。
禍 人
マガジンと!
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