レイゾウコ

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こみあげてくる笑いがおさえられないみたいで、口もとには、にやにやにやにやした笑いが浮かんでいた。 なのに、目は、ぎらぎらぎらぎら光っていた。 しばらく落ち着かないようすで台所をうろうろうろうろ歩きまわってから急に何か思いついたみたいで、引き出しや戸だななんかを色々とあさり始めた。 その間ずっとぶつぶつぶつぶつひとり言を言っていた。 「……ミキサー、いや」 「やっぱり包丁か……」 「ノコギリもいるな……」 ぼくのことなんてまったく目に入らないみたいだった。 ぼくは声も出なくて、ただただこおりついたみたいに立っているだけだった。 でも時々体が勝手にぶるぶるぶるぶるふるえてどうしようもなかった。 ふるえているのが見つかったらぼくもおとうさんに殺されるような気がして、なんとか体中に力を入れておさえようとしたんだけど、それでもふるえはとまらなくてぼくはうんうんとうなっていた。
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