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雪は、18歳の夏、たった一人の家族だった母親と絶縁して、家を出た。
「もう、嫌! 私は、お母さんと一緒に居たくない! お母さんの性で、私はずっと一人ぼっちだったのに、何で、そんなお母さんの仕事好きになれるの? 誇りに思えるの? 好きで働いているんなら、もっと自信持ちなよ。子供に自分の夢押し付けたりしないで、自分だけで生きて行きなよ! バ――――――カ」
雪の母親は、雪の横っ面を引っ叩いて、雪に背を向けた。
「あんた何か、産まなきゃ良かった」
去り際、雪の母親は、震える声でそう言った後、雪を残して家に入った。
「うわぁああああああああああああああああ」
その場に取りこされた雪が絶望の末に上げた叫びが、俺には悲鳴にしか聞こえなかった。
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