第1章

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「いや、やぁぁぁぁ!」 病院の霊安室。 本来、静寂に包まれるべき場所は、一人の女性の悲鳴によって、喧騒の中にあった。 この女性、名を道子と言い、半年後には結婚を控えていた。 その相手こそ、道子が泣きながら腕にすがっている男性、時男。 つい数時間前までは生の中にあり、幸せの最中にあった時男。 しかし、今となっては、冷たい死の世界への旅路の最中。 片道切符の旅路は、当然戻ってくることはない。
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