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「山口さんなら、家知ってるだろ。家行けば?」
加藤という名の天からの声に俺はバッと起き上がった。照屋と木村がビクッと体を揺らしている。
「家か……! そうだよな!!」
よし。と思って、山口さんに返信した。
呆れた顔で俺を見る木村。加藤は思い付かなかったのかと、少し俺を哀れんでる。なんだか、照屋は安心したみたいだけど。
今日は無理だけど、明日は空いてるということで、2人で中野ちゃんの家へ行くことにした。
翌日、授業後、中野ちゃんの家の最寄り駅で山口さんと待ち合わせした。
何とか間に合わせて、ギリギリの到着。
意外と中野ちゃんの家は遠いのを知った。すでに山口さんはいて、俺を見つけるとニコッと笑ってくれた。
「ごめん。割りと時間かかって……」
「ううん。こちらこそ、家に行くって提案してくれてありがとう」
そうして、早速、中野ちゃんの家へ向かう。途中、潰れたケーキ屋があって、そこにもう終わったはずの『Black House』のメンバー募集のチラシが貼ってあった。
中野ちゃんの家は一軒家らしい。山口さんは何度も行ったことがあって、中学時代はグループの溜まり場になってたという。
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