第六夜

4/20
前へ
/155ページ
次へ
「どうした?」 「あ、いや……」 最初に通信高校に行って、あの金髪ロングの女の子が写真だけ見て、中野ちゃんじゃないかと疑っていた。 学年も名前も違うと撤回されたけど、もうそれで全く違うとは言えなくなった。 何度も何度も、会うチャンスはあったらしい。 しかも俺は、通信高校を訪ねて二回目で、中野ちゃんに会うチャンスが来ていて、それを逃していた。 同窓会が終わって、すぐに俺は考えた。 明日、あの通信高校に行こう。授業は14時までだから、そのあとに行けばいい。 中野ちゃんは多分、卒業しているだろう。どこかの大学に行っていると思う。 先生に直談判しようか。 それとも、生徒に聞こうか。   3年生はまだ卒業していないはずだ。 3年生や2年生で、中野ちゃんと仲の良かった人がいるかもしれない。 これは多分、もう最後のチャンス。 このチャンスを逃したくない。 絶対中野香夜を見つけてみせる。 そうして俺は、どうやったら中野香夜がどこにいるのか聞き出せるのか、真剣に考えた。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加