第六夜

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生徒に聞くのが一番だけど、もし、中野ちゃんが俺が探していることに気づいていたら、仲の良い人に口止めをしているかもしれない。 じゃあ、先生か? いや、もっと教えてくれないだろ。 とにかく、中野ちゃんと親しかった人をまず突き止めるしかない。そして、懇願しよう。 中野ちゃんの居場所を教えてくれ、と。 翌日、逸る気持ちを抑えて、俺は大学へ行った。ぶっちゃけ、すぐ高校に行きたかったんだけど、高校も卒業式前で色々やっているはずだ。 午前より午後の方が話しかけやすい。 大学の授業を終えて、俺は早足で電車に乗る。  そして、いつかの高級住宅地を歩いた。 ここを毎日、中野ちゃんは通っていたのか。 そして、通信高校が見えてきた。
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