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いや、わかってる。中野香夜じゃ伝わらない。
俺は最近流行りだしたスマートフォンを取り出して、画像を出した。
ますます不審な目で見られる。
「あのさ。みんな、先戻ってて?」
俺が出した画像を見る前に、中野ちゃんと間違えた女の子が言った。
命令のように言う百々ちゃん。とても百々ちゃんという柄じゃない。
とんでもなく不良少女に見える。
不審になりながらも、みんな彼女の眼圧に負けて学校に戻っていった。
ただ一人だけ、
「俺残る」
と、不良少年が言った。
「は?」
「あの話だろ? 俺も聞いてたし」
と言って、その場に不良はヤンキー座りした。
とても信用されているようには思えない。
むしろ、この百々ちゃんを守ろうとしているのがヒシヒシと伝わってくる。
百々ちゃんは、この不良が何をしたいのかわからないらしく首をかしげた。こんなところも中野香夜に似ていると思った。
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