第六夜

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「えっと……、私、緒方百々歌と申します。こっちは……気にしないでください」 「俺はオマケか」 突っ込む不良に緒方さんは迷惑そうにため息をつきつつ、本題に入った。 「で、貴方のお名前は?」 友達にはすごく乱暴な口調だけど、年上には違うようだ。 「相場飛翔」 その言葉に百々歌は少し嬉しそうな表情を浮かべた。 そして、次に紡がれる言葉は、俺を希望へと導いた。 「先輩を追いかけてきたんですね」 彼女は、中野香夜を知っている。 決してうわべだけじゃない。 少しニヤついている辺り、俺と中野ちゃんの仲も知ってるのか? とにかく中野ちゃんと繋がりがあったのなら、確かにこの台詞は出てきておかしくない。 一応、写メで確認しておこう。 「中野香夜って、この高校では違う名前だったよね?」 「そうですよ」 「一応、確認なんたけど、この子であってる? あと、去年卒業してる?」 写メを見せると、緒方さんは頷いた。 「この写真だとわかりにくいですけど、貴方が言ってる人は間違いなく私の知ってる人です」 「そっか。卒業後の行き先とか知らない? 大学行ったとかさ……」 緒方さんなら知っている気がして問う。 彼女は顔をしかめた。後ろの少年も暗い顔だった。
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