第六夜

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ところが、緒方さんは、ケロッとして、俺に言い放つ。 「ここまでは、周りが知ってる話です」 その話に、首をかしげる。どういうことだ?    「ここからは、漏らしちゃいけない話なんですけど……」 と言いながら見たのは俺ではなく隣の男子、赤木だ。 「俺が聞いたところで誰にも漏らさねぇよ。安心しろ」 「これ、聞いたのバレたら、あんたが大変なことになるの!」 「てことは、お前も危険ってことじゃん」 ハッと笑って緒方さんを見る赤木。 図星だったのか、緒方さんは少し困った表情だった。 「お前、そんな危険な情報持ってんじゃねぇよ」 「宮城野があたしに気づいてるわけじゃないから大丈夫。それよりあんたがヘマしないか心配なの!」 「しねぇよ」 軽くあしらわれて緒方さんはむすっとした表情を浮かべる。 ああ、友達を守りたいというのも中野ちゃんにそっくりだ。 自分に似た彼女と仲良くなるのは、ちょっとわかる気がした。 赤木も緒方さんを守りたいという姿勢だ。俺はここまでかな、と思って口を開く。 「そんな危ないなら、俺、聞かなくてもいいよ?」 嘘だった。 本当はすごく聞きたかった。
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