7人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
静香さんは親子が食卓につくのを見届けると、
手際よく若草色のエプロンを外しながら帰り支度を整えた。
”え?
もう帰るの、今日は? ”
”ええ、今日はお母さんが風邪で、早く帰ってあげなくちゃ
いけなくて...”
"そっか、お姉ちゃん... 最近忙しくしてたから...
静香さんも大変だけど、お大事にね。"
いつもは一緒に食べていってもらうのに、
美咲は、年の離れた姉の愛娘を、今日は名残惜しそうに見送った。
そう、今日は、いつにも増して、人恋しい。
職場の余韻を誰かと分かち合いたい。
そんな気分だった...
”マァミィ!!”
白いクリームを口の周りにいっぱいつけて
おぼつかないスプーン使いでリトル・プリンスが待っている。
余韻に浸ってる場合じゃなかった。
カァーーーーン!
さぁ、今夜も 格闘の始まりだ!
最初のコメントを投稿しよう!