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大きな世界の中にある小さなデスクの上でうずくまる私。 眠りについたオフィス街をよそに人工の灯りが私の背後で見張っている。 カタカタと鳴るのはキーボードか。 プレッシャーに震える私か。 それとも壊れ始めた私の心か。 私は恐れる必要のないことに怯えている。 1・2・3・4・5・6・7…… 世界中のどこにでもある、ありふれた記号。 暴力は振るわないし、暴言も吐かない。 無害なはずの記号に私は人以上の恐怖を抱いている。 モノがヒトに牙を剥く。 現代は昔の人が想定しなかったカオスな世界へと変貌しつつある。 数字が人よりも優先されるのだ。 人の生活を豊かにするための数字が人を破壊していくのだ。 「数字さえよければ、手段は問わない」 私の上はみんな数字に頭をヤラレテいる。 私の下はみんな数字で私を壊そうとする。 数字は所詮、数字のはずなのに、まるで神様のように崇める。 いよいよ人間は狂い始めたのだろうか。 私が狂っているだけなのだろうか。 数字のために犠牲になった人は本音を捨てて、笑って死んでいった。 本音を出さない私は本音を捨てられない。 大切だからこそ、出さないのだ。 だから、笑って死ぬことは私にはできない。 しかし、どうせ死ぬことに変わりはないのだ。
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