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私はパソコンを乱暴にシャットダウンした。 監視役の蛍光灯を無視して、小さなデスクを後にする。 気の遠くなる階段を昇って屋上へ。 重たい扉を開けると、優しい夜が私を迎え入れてくれた。 冷たい風を顔に浴びて、ようやく目を覚ます。 オフィス街に点々と浮かぶ光の粒の中には虐げられている人達がいる。 「これ以上、犠牲を生み出してはいけない」 狂った歯車を止めるには1が1としての価値を超えるしかない。 私が今からすることは愚かな賭けでしかない。 ベットがたった1じゃ何にもならないだろう。 それでも、このオッズ73億の大博打に勝てば、世界を変えられる。 私の踏み出した一歩は、とても軽かった。 「これでいい、この終わり方でいい」 私は満足のいく終わり方を選ぶことができた。 蛍光灯では到底敵わない美しい星々を見つめながら、真っ暗な下へと落ちて行った。
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