青春おやぢの大冒険２０１９

ソラリス

に貫こうと収束するが、
隼人の体から放たれる霊光のようなものが
ガードを固めて弾き返す。
「これが適正というものか。」

隼人とソラリスが突き進んでいる召喚の道の先に
赤褐色に染まった惑星が見えてきた。

土星のようにリングがあるが海が全く無い様に見える。
大きさは地球の数倍だろうか・・・・

「あの星です。」ソラリスが右手で差した。
あっという間に星が眼前に迫り、
召喚の道は大幅なスピードダウンをしているようだった。

大気圏に突入する。

召喚の道は煙を噴き出して砕け散り、
大風圧と共に猛烈なスピードで地表が迫ってくる。

「ソラリス、このままじゃ地面に激突して死ぬぞ。
パラシュートはないのかよ。」

「そのような気の利いたものはありません。
　生存を強くイメージすれば活路が開けるかと思います。」

「死んでたまるかよ。
停まれーっ、減速だ！！」
本能的に生命力を腕に集中すると
麻紐の丸玉のような物体が出来上がる。

赤褐色の大地に向けて渾身の力でブン投げると
大地が呼応するように地表から光の奔流が現れ、
隼人とソラリスを包み込んで
ゆっくりと地表に着地させた。

「本当に死ぬかと思った。　
想定の通りと言いたいんだろう。　
これも予め仕込んでおいた手品のようなものか？
ソラリス殿。」

「ご想像にお任せします。」

へなへなと座り込む隼人。