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なんて言うのはあるわけがなかった。ふわっと笑ったかのように見えたその男子生徒は私の方を見るなり、さもバカにしているかのような笑みを見せた。
「ぷっ…あっははははっ」
「あの…?」
彼が私に近づいてくる。なんか、変な緊張と困惑が入り混じって複雑な心境だ。
「君、新入生だよねぇ?なに?入学式早々遅刻しちゃっておまけに迷子って感じ?やっべえ、マジ笑えるんだけど」
それから、彼は笑いをこらえるように肩を震えさせる。ここでイラッと来ることはしょうがないことだろう。
「す、すみません」
そういう私は必死に愛想笑い。
「んで、なに?体育館教えてってか?どーしよっかなぁ?」
「そこを何とか」
「面倒臭いんだよなぁ」
((おいおい、先輩よ…今も面倒臭いからサボってるんだろうけどせめて道案内くらいはしろよ))
「言ってくれんじゃん。後輩ちゃんよぉ」
前を見るとその男子高生は腹黒い笑みを浮かべこちらを見つめている。
これは…もしかして
「おまえ、ちょっとこっち来いよ」
入学式早々フラグたっちまいました。
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