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呼ばれた先は、使っていない空き教室。入ってくるなりその先輩は、教室の鍵を閉めてしまった。
「まずは…お名前教えてもらおうか?」
こんなときにこそ、とてもいい笑顔を浮かべる男子生徒がある意味怖くて仕方が無い。
「えっと… 如月 椎名です…」
「ふ?ん」
そこから、少しの間沈黙が流れる。が、危機的状況に陥っている私にとってはその短い時間でさえも苦痛でならない。
「椎名ちゃん体育館連れてってあげるよ」
突然、今までの重い雰囲気とは打って変わって突然けろっとしてしまったので思わず素の状態では?と、言ってしまったのはしょうがないと思う。
私は、彼の言われるがままについて行き体育館までついて行った。
どうやらわたしは必死に反対方向を回って探していたらしく、わかった終いには恥しくてしょうがなかった。
「はい、到着」
「あ、ありがとうございました。」
「んじゃ、俺はサボってるから」
そう言って、その男子生徒は小走りに戻って言ってしまった。
あ、名前聞くの忘れてた。
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