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付き合い程度にしか飲めない私と、ザルのように飲む彼。そのスピードの差は明白でボーッしてきた頭をなんとか働かせながらあと1口残ったワイングラスのふちをなぞって頬ずえをついた。
「ハナ。」
と優しく呼ぶ彼の声がぼんやりとする頭の中に響きわたった。
「んーなぁに?」
目線を彼の方へ向けると彼の手元には何個目のグラスか分からないが空になった氷が溶けてカランと音を立てた。
「そろそろ、最終でるから帰ろうか」
そう言われて腕時計に目線を落とすと、真夜中の12時をさしていた。ワイングラスに残った1口を飲み干してから分かったわと、返事をしてカバンを手にした。マスターに合図を送って各自で支払いを済ませて店をあとにした。
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