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「ちょっと目ぇ、離したら」
「ね、」
カジマとコバとアノに。
「すーぐ、ペタぁっ」
「くっついちゃって」
「ね、」
リーナは耳を塞ぐ。顔が熱い。
「これだから、うちのつがいは」
くすくすくす、と笑う。
村長の家の台所。
簡単に夕食とつまみを作る。
ミヤとギンガの分。
「もー、先、行ってて」
「えー、あ、ちょっとミヤ、からかってこ」
カジマとコバとアノが台所から出ていく。
火の始末と片付けをして、ミヤに出かけることを告げる。
カジマとコバとアノと一緒に、夕闇の村をぐるりと見て回る。
観光客のための最終バスが村を出ていった後は、村民だけ。
「"つがい"が観光資源になるとは思わなかったけど」
村唯一の神社に行くと、膨大な量の絵馬に驚く。
「見て。絵馬」
絵馬に露草のブーケの絵。
「まじで死にたい」
ぎゃはははは、と３人に笑われる。
「結婚式ここであげたいって言うカップル、いるんだよ」
「ご自由に」
村民ここであげてるじゃん。
「夏じゃないと、露草ブーケ手に入んないの」
夏だとどこにでもあるんだけどね。
「なんか、絵馬に書いて」
無茶振りされる。
「ええええ？！」
「theつがい、みたいなの、お願い」
「ダメだよ。ミヤに聞かないと」
「あ、それな」
カジマがじろりと見る。こわっ。
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