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大陸のほぼ中央に皇都を置き、その周りを５等分に分け、それぞれに５つの家が治める地域がある。大陸の北側に、将族(しょうぞく)と呼ばれる別民族が住む大陸が、大陸の南側には、仙族(せんぞく)と呼ばれる別民族が住んでいる大陸がある。
キイズ家は、皇都と仙族の間の地域を治めている家であり、皇国を治める主上(おかみ)とも親戚関係にある。キイズの治める地域は、古くは仙族とも交流があり、他地域に比べて、仙族の血が入っている人が多い珍しい地域でもあった。
キイズ最大の街の名前でもある、ヴァリは尭帝と仙族の娘の間に産まれた皇子であったが、臣籍を与えられ、初代キイズ公となり、住んでいた街に自分の名をつけた。
皇都からヴァリを抜けて、ホギに向かう馬車の中、ミヤとリーナは重なるように寝ている。
ミヤは出発まで仕事に追われていた。
リーナは"候補"になった後、御所にある厩舎に行くようになった。ミヤの愛馬、笑之助、幸之助がここにいる。二頭はリーナを見つけると、激しく暴れた。リーナが慌てて駆けつけてくるのを楽しんでいる。
「もうっ飼い主に似てっ」
厩務員のお兄さんが笑う。
普段ミヤは兄弟馬の兄、笑之助によく乗る。黒毛の笑之助の方が弟馬より大きい。鹿毛の弟馬、幸之助は留守番が多いことになる。
そもそも、二頭のどちらか気に入った方を贈られるはずだったのに、ミヤが兄弟を離したくなかったので二頭とももらってしまった経緯がある。
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