終章 full love up to the heart

1/3
前へ
/25ページ
次へ

終章 full love up to the heart

ギンガと別れを惜しんで、馬車に乗る。 カジマ、コバ、アノ。 何だか話し足りない。 だけど、もうこれで一生会えなくても、話さなきゃいけないことが思いつかない。 村にいたときと同じ他愛ない話でよかったのか、それもわからない。 「え?何?この距離感」 ミヤと少し離れて座ると、ミヤの不満げな声。 「え。そう?」 お風呂は覗かれなかったんだけど。 ミヤの手が伸びる。 「何?俺、何かした?」 「う、ううん」 軽くミヤの手を払う。 「あれ?隠すの?」 ヤバい。 言うべきか、いやいやいや。 ミヤがいつの間にか移動してきて、リーナを捕まえる。 「げ。」 カジマに言われたコトとか、朝の出来事とか、一瞬に思い出す。 「何?俺、何かした?」 2回目。 ミヤに両手首捕まれてる状態で、事情聴取。 ……。 「隠すんなら、いたずらしちゃおうかな」 ひぃっ! 「ミヤは左側の布団で寝てたんだよね?」 「うん。」 「以上です」 切り上げる。 ……。 …………。 いえ、いいんですよ。 別に。 大したことではありません。 "候補"が実際、そういうものだってことだし。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加