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話を聞いてしまった以上、弟馬を自分が乗った方がいいと思うようになった。
厩務員のお兄さんに頼んで、鞍の扱い方、のせ方、馬の扱い方などを教えてもらう。
5歳くらいの知能があるので、馬との信頼関係は重要だ。既にミヤとあたしの関係も気がついてて、面倒くさい幼稚園児ぽい。
もたもたと鞍の用意をしていると、幸之助に急かされる。笑之助も、自分も出せー出せーとうるさくなってきた。
「静かにっ」
ピリッと静電気が走る。
一瞬で馬が静かになる。
厩務員のお兄さんに拍手される。
「さすが、候補」
ええええ?
「うん、あの一の宮様もそうやって手のひらで転がすんですよね」
ええええ?
ちらりと笑之助、幸之助を見ると、
笑っている。
めんどくさい幼稚園児め。
幸之助に鞍をつけて、柵まで出してくる。
げ。
笑之助まで出てきた。
柵によじ登ってから、幸之助の背中に乗る。
カッコ悪いけど、仕方ない。
姿勢を伸ばして、両足で幸之助の腹に合図する。
ん?歩くの?くらいの間があってから、幸之助が歩き出す。
んもう(怒)
パッカパッカ♪と鼻唄でも歌ってるような幸之助の足取り。
後ろから、馬っ鹿馬っ鹿♪と鼻唄を合わすような笑之助の足取り。
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